ゲーム博士の日記

ゲーム博士に意味はないよ。アドベンチャーゲーム、ソーシャルゲームの感想だったり、考察を書いていくよ

G線上の魔王 プレイ日記 part12

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白鳥にとって、時田はあこがれの存在で、自分もああなりたいといつもかんじていた.

時田がいくなった日のことを思い出していた。

 

あの日は、雪の降る夜で、時田が雪だるまを作りに行こうというので、二人で東区まで向かう。

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時田 「父親と話をしてあげて、寂しいでしょ会話のない親子なんで」

 

時田 「もっと人を知ろうとしなさい。言葉で動かそうとしなさい」

 

帰りのタクシーで、時田は途中で降りてしまい、そのまま行方が分からなくなった。

 

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京介を手玉に取る白鳥。変わったなぁ。なんか立場が逆転したみたいですね。

個人的には、学園にいたころの天然な白鳥のが好きでした(笑)。

後の話によると、白鳥は時田がいなくなってから、気分の浮き沈みが激しく甘えたと思ったら怒りだしたりと、それが原因で京介が肺炎になってしまったことがあり、それを深く反省していて、必要以上に甘えないように注意するようになったみたいですね。

 

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この夜京介はあることを決意していた。

 

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ある日、京介が夜に白鳥を呼び出した。

プロポーズしようと思っていたのだ。

普段のスーツに加えて、蝶ネクタイをつけたりして準備をしてきた。

だが、白鳥はあなたに自分がふさわしいかどうかわからないといって逃げてしまった。

走って逃げた先は、一人暮らしをしている家ではなく、実家だった。

そこで、実家の前にたたずむ人影を見つける。

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母の形見をもって、外国の海を巡っていたという。だが、白鳥ももう少女ではない。それは嘘だと気が付いていた。姉は人を殺し、警察から逃げるために海外に逃亡していた。しかし、捜査が進展し、進退窮まったため、出頭するために戻ってきたと推測していた。

 

白鳥 「海かあ、よかったね。お母さんもきっと喜んでいるよ」

少女のままでいたかった、姉の前ではーーー

時田は口をパクパクとさせた後、一言

時田 「ごめん、独りぼっちにさせてしまって」

姉が行ってしまう、そう思っていたが、精いっぱいの笑顔を見せてお礼を言った。

 

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あれから1年がたった、時田ユキは世間を騒がせ、後ろ指をさされることもあったが、白鳥は姉の分も幸せにならなければという思いを抱いていた。

 

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白鳥ルートEND

 

え? ええええぇぇ・・・。なんというか個人的に途中まではものすごく面白かったんですが、後半なんか納得がいかない終わり方なんですが・・・。時田が相談できる人もおらず、一人で悩んでいたこともわかりますが、それでも殺人まで行ってしまうってどうなんですかね?なんかキャラ的にあっていないような気がします。

海外へ逃亡ってそこまでして捕まりたくなかったってわけですよね?その間に母の形見をもって海でも本当にめぐっていたのかもしれませんが・・・。なんでこうなったんだろう・・・。なんというか京介が全然活躍しないルートだったな・・・。あー、正直納得いきません。

 

それでは選択肢を選びなおして、4章をあらためて進めていきます。

 

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白鳥とノリコ先生が、橋本につかまっているところから始まります。

選択肢で、警察を呼ばないようにします。

 

数十分後、時田がタクシーで到着した。

職員室から移動し、部室としてたまに利用していた理科準備室に移動しているようだ。

校舎前で待機していると、橋本から時田に連絡があった。

警察を呼ぶな、校舎に入るなその二点を押してきた。

時田が京介に頼み、ヤクザで校舎周辺を閉鎖した。

 

時田 「言葉は武器だとは思うわ。けれど、しょせんは暴力のバックアップがあってこその武器なのよ。」

 

犯人との交渉が始まる。

時田の要求は金だった。

 

 

 

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宇佐美は、橋本の行動の裏に、魔王が関係しているのではないかと感じ始めていた。

逃亡用の車を用意したが、橋本からの連絡が来ないため、様子を見に行ってみると二人とも消えてしまっていた。

拡張工事を行っていた場所を封鎖しておらず、そこから逃げられたのではないかと推測を立てる。

 

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時田 「人の心にマニュアルなんて当てはまらないってことね。まだまだ訓練が必要だわ」

宇佐美 「いいや、ここまではすべて計算ずくだったはずだ。そうだろう、ユキ?」

時田 「どうしたの、ハル?まるで私が真犯人みたいな言い方じゃない?」

宇佐美 「事実、真犯人だ。最初から、すべてユキが仕組んでいたことだ。」

 

同機は、理事長への復讐だった。白鳥も誘うつもりだったが、断られてしまったらしい。時田が宇佐美のすきをついて、理科準備室を抜け出し、カギを壊して逃げ出した。

 

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時田が魔王と接触したのは二年前の話だった。

電子メールをする中で、魔王に興味を持ち、実際に会うことになった。

魔王 「私の仲間になれ、さすれば、お前の好奇心を満たしてやることも可能だろう」

時田 「あなたのお仲間になれば、今まで私が見たこともないような変人を紹介してくれるっていうの?」

魔王 「いくらでも」

 

契約はなった。

 

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様々な人間と会ううちに、好奇心の歯止めは聞かなくなっていった。

 

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時田 「まさかハルの探していた人物が魔王だったなんて」

 

白鳥が現れた。

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時田 「名にその手は、助けてくれるっていうの?」

白鳥 「うん。自首する気はないんでしょう」

 

白鳥 「姉さんは、私を恨んでいるの?」

時田 「まさか・・・あなたは大事な妹よ」

交渉人は嘘をついた。

 

時田はもう一度理事長を脅迫するつもりでいる。

 

白鳥の印象がだいぶ大人びて見えますね。姉に頼り切っていないからでしょうかね?時田は、理事長のみならず、平凡に暮らしていた妹のことも若干許せないという思いもありそうですね。

 

すぐに、やくざに見つかってしまい、タクシーを使って逃げていた。

とある倉庫に入り、白鳥に協力してもらい脅迫写真を撮影した。

 

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時田 「あなたを人質に、理事長を殺すわ。私には覚悟が足りなかったのよ。たった五百万ほどで許してあげるなんてあまかった。だから、ハルに見破られたんだわ」

 

時田 「少しは役に立ってよ。姉妹でしょ?」

 

あまり似ていない妹だった。外見もそうだが、中身がまるで違う。そんな平凡さが、ささくれだったユキの神経を刺激していた。

 

時田 「私寒かったのよ。そのマフラーすら返してほしいって思うくらいに」

 

さあ第二幕の始まりよ、ハル!

 

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時田が魔王のことを知っていると挑戦状をハルに送り付けると、宇佐美の声色が変わった。

 

宇佐美の話によると、昔時田とその母が住んでいた村で、ダムの計画がありそれに賛成したことで、村の住民によって家を放火されたことがあった。

 

時田が、宇佐美に要求を話した後、理事長に電話を変わるように要求してきた。

その内容によると、火を放った人物は理事長の手のもので、裏帳簿を盗むように命じていた。片倉という人物が、放火に加わった人物で、それをここに呼び出すように要求してきた。

 

理事長が来れば、白鳥を解放するということで、理事長が応じようとするが、宇佐美が止める。

 

京介 「窓はわってもかまわんだろ。言い忘れたが、この倉庫は浅井興業が管理している物件だ」

宇佐美 「それはすごい偶然ですね」

京介 (言われてみればそうだな・・・。どうしてこの倉庫に立てこもったのか)

 

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宇佐美の策によって、時田を降伏させることに成功はした。

 

が、倉庫にこの男が飛び込んできた。

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権三は、この事件が魔王と関係しているのではないかと疑っており、京介に隠していることをすべて話せと脅迫してきた。

頭を殴られ、意識がもうろうとする中で、弟を抱く椿姫の姿や、何も言わず立ち去った花音のことが頭に浮かんでいた。

宇佐美や白鳥は、仲間?、友達?なのか?

 

 

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時田が、自分から魔王のことを話し、権三に目をつけられてしまった。

権三が時田を連れ去ろうとしたとき、声が上がる。

白鳥 「やめて・・ください」

その姿を見て、京介はなんと哀れなんだと思いながらも、俺の周りにいる連中は、俺が持っていない暖かいものを持っているように感じていた。

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白鳥は、権三の目に射止められながらも、姉は悪くないと語り続けた。

時田は、白鳥は妹は関係ないと、そう告げることができなかった。

 

そのとき、京介自身も驚いたことだが、スタンガンを権三に向けていた。

京介 「宇佐美! 二人を連れて逃げろ! 早く!」

権三 「面白い、おれは完全に油断していたぞ。何があった?」

京介 「わかりません」 

椿姫、花音、白鳥、時田・・・四人の泣き顔が俺をけしかける。

 

権三に殴られる。

権三 「俺はお前に驚いている。俺を上回る恐怖に出会わなねば、裏切らぬと思っていた」

俺もそう思っていた。

権三 「お前は俺にへつらうだけの家畜ではなかったのか?俺に拾われ、母を捨て、金の奴隷になったのではなかったのか? で、どうするのだ、京介?」

権三 「お前は金をためて、母を迎えるつもりだった。そんなお前に残念な知らせが、先ほど届いた」

 

死んだぞ

 

母親だ

 

跳ねられたらしい

 

飲酒運転の車に

 

おれは、白目をむき、点を仰ぎ、力の限りに叫び続けていた。

 

第四章 終了

 

権三に立ち向かったところは、椿姫ルートに類似するものがありましたが、今までに見てきた椿姫たちのようすから、何かしら心を動かされているようでしたね。あとは、白鳥ルートでの疑問も解消された気がします。そして、今までの目標であり

心の支えであった母親の突然の死亡。京介が権三に従っている意味がなくなってしまいました。この章では、魔王が直接出てくることが少なかったですね。次かその次ぐらいに決着がつきそうですね。進めていきましょう!

 

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京介の実の父親、鮫島利勝

宇佐美ハルの父親に騙され、借金を作ってしまい、その後も利用され、どす黒い思いが募っていった。

 

この話は驚きましたね。今まで、京介の父親はろくでもない人間だと勝手に思っていたので。どちらかというと、宇佐美の父親のほうがここだけを見ると、ろくでなしですね。ですが、京介は父親のことをあまり話したがらない、思い出したがらないという感じでしたが、理由はなんなんだろう?確かに殺人を犯した父親ではあるけれども・・・。魔王も復讐の相手は、浅井権三よりもどちらかというと、宇佐美の父親のほうが適任のように見えなくもないですね。まぁ、もうなくなっているのでどうしようもないですが・・・。ハルからみて、京介はどう映っているのか・・・。

 

京介 「魔王か・・」

今までの不可解な事件を思い返すと、どれもこれも、ここぞという場面で体調を崩していた。いまとなっては、あまり良く覚えていない。秋元氏のもったいつけた診断。宇佐美と権三の疑いの目、ありえないと思いつつも、肯定したくなってきた。

つまり、魔王が俺だとしてもーー。

 

インターフォンが鳴る。

 

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京介はこれまで抱いていた疑問を投げかけた。

京介 「お前は、宇佐美義則の娘なのか?」

 

京介 「そうか・・・だから今まで俺に付きまとっていたんだな・・。父に代わって謝りたかったのか?それとも、よくも殺してくれたと、復讐の機会でもうかがってたのか?」

 

 

宇佐美 「ず、ずっと・・・好きだったよ・・・」

それは、最低の告白だった。

京介 「こりゃ傑作だ。ずっと好きだったって?」

宇佐美 「う、うん、うん!」

京介 「殺すぞ、貴様。俺とお前が結ばれるなどありえない!お前の父が俺の父になにをした!?ええっ、言ってみろ!?」

宇佐美 「でも、でも、それはわたしたちには関係ないはず・・・!」

京介 「それは理屈の話だ! 父の無念を思えば、お前に心を許せるはずがないだろう!?」

宇佐美 「わたしは、わたしは、それでもあなたがっ・・・!好きですっ・・・だめだ忘れようって思っても、ずっとずっと好きでした・・・!許してください!どうか、あなたを好きでいても、許してください!」

 

宇佐美 「初めてあった、十年前から、わたしは、あなただけを思って、あなただけが忘れられなくて!」

そのとき、ふっと昔の記憶がよみがえったような気がしたが、憎悪がかき消した。

 

京介 「失せろ、宇佐美いぃっーーー!!!」

 

これが、俺の最後の良心だ!

 

次に会うときは、お前を犯すだけでは済まさんぞ!

 

(次は間違いなく、殺す。)

今この時をもって、俺の中で魔王が目覚めだす。

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すがすがしい朝だった。

権三の部下が家に乗り込んできた。

京介の策と、金を使いその場を脱出する。

 

行動を起こしながら、宇佐美との会話で思い出しそうになった記憶について考えていた。

鮫島京介と宇佐美ハルは幼少のころに交流があった。二人とも、お互いの両親のことを知らず、不器用な心の触れ合いを繰り返していたという。

 

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宇佐美ハルは単身、浅井権三の屋敷に来ていた。

思い人に拒絶された少女にもう希望はなく、ただ母を殺した魔王を追い詰めるべく合理的にことを進めるだけだった。

 

権三 「お前も知っての通り、京介こそが魔王だ。」

ハルは耳を疑った。

権三 「京介は精神科医にかかっている。話を聞いたところ、やつは、どうやら心因性健忘症という病にかかっているようだ。脳の組織に異常が生じ、突然過去の記憶がなくなったり、部分的に空白になる、非常に珍しい疾患だ。原因はストレスの積み重ねだ。」

 

獣が野に放たれる、宇佐美になすすべはなかった。

 

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権三は、ライフルで狙っていたのを知っているかのように、こちらを向いた。

ライフルが火を放つ。 弾丸は命中した。

 

権三 「魔王よ、聞けっ!!! 悪とは、いまだ人のうちに残っている動物的な性質にこそ起源がある。 復讐に救いを求め、救いに悪をなさんとする貴様は、遠からず己が悪行のもろさを知るだろう!! 嗤おう、盛大に!!!」

 

次の瞬間、浅井権三の口から大量の血があふれ出した。

 

権三の周りにいる連中は、権三が撃たれたにもかかわらず、それに動揺せずすでに次の行動を起こしていた。こちらを探し出していたのだ。

 

なぜ、権三は車内から飛び出してきたのか、わからん。

しかし、悪魔は微笑んだ。

母を追い詰めた怪物に復讐の鉄槌を下した。

魔王 「さらばだ、浅井権三」

 

次は宇佐美、お前だ・・・

 

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小学校の帰り道

俺は、父の職場を訪れていた。

忙しい父が仕事中に相手をしてくれるわけもなく、50階建ての超高層タワービルの屋上に来ていた。

そこで、柵を飛び越えて、空中に足を投げ出し本を読んでいる子を見つけ興味を持った。

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京介 「別に悪くないよ。俺は髪の長い女の子が好きなんだ」

?? 「ふーん、そんなこと聞いてないよ」

 

京介 「遊ぼうぜ、暇なんだ」

?? 「私は暇じゃない、本を読んでる」

 

京介 「名前はなんていうんだ?」

?? 「勇者」

京介 「なに?」

?? 「田中」

京介 「田中勇者ってなんだそれ?」

 

山王物産の屋上で、俺は幼き勇者との出会いをすべて思い出していた。

まさしく病気としか思えない、あんな大切な思い出を封じていたなんて・・・

 

 

 

次はお前だ宇佐美

宇佐美を殺害する場所は決めていた。

宇佐美に電話をする。

とある場所に呼び出し通話を終える。

 

宇佐美 「さて帰るかな」

柵を超えて戻ろうとしたとき、突風が吹き落下しそうになったところを京介にだきかかえられて助けられた。

宇佐美 「懐中時計ない。母からもらったの。でも、あきらめる。」

京介 「探してやるよ」

屋上で待っていると、うれしそうな叫び声が上がった。

懐中時計は無事だったのだ。奇跡だった。まるで、魔法のようだった。勇者が魔法をかけたのだと、少年は言った。

幼心に、暖かい日がともった。少女にはむしろ少年のほうが勇者にみえてならなかった。

すぐさまありがとう言いたかったが、ひねくれた心がそれを許さなかった。

見つめられると照れくさくて仕方がない。

 

宇佐美 「わ、わたし、友達いなくて、お父さんはいつも仕事で忙しくて、引っ越しばかりで。そう、それで友達いなくて、あのそれでだから、みんな私のこと変な奴だって言って・・・だから友達いなくて、その・・・」

宇佐美 「あの、ほんと、驚くぐらい友達いなくて・・・。ご、ごめん、ごめんなさい」

涙声で詫びて、逃げ出した。

そのとき、少年が声をかけてきた。

京介 「おれ、キョウスケっていうんだ。また会えるよな勇者」

 

ーーキョウスケくん・・・。心のうちで何度も反芻した。

 

 

魔王に指定された場所に向かう。

父親のことは、よく知らなかった。だから、鮫島という男に惨殺されたと聞いた時も実感がわかなかった。時がたって、父にも非ああったことを知った。

 

ーー京介くんに恨まれても、仕方がないな。

宇佐美ハルにとって、鮫島京介こそが勇者だった。

 

懐中時計を拾ってもらった次の日、再び屋上で二人は出会う。

その時に、声をかけてくれたことを思い出していた。

 

京介がこともの頃、勇者との再会を心待ちにしていた時に、父親が罪を犯す。

それがきっかけでいじめにあってしまう。

家の扉の前には、マスコミがひっきりなしにやってくる

浅井権三という名の取り立て屋

事態を聞いて、帰国してきた兄恭平も、退学手続きにロンドンへ帰ったときに爆破テロに巻き込まれ命を失った。

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こんなやつら、父さんがいれば殴ってくれたのに、兄さんがいれば追っ払ってくれたのに・・・。

涙をこらえていると、幼い勇者が乗り込んできた。

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さっきまで、強欲に顔をゆがませていた叔父たちが赤らかにひるんでいた。

最高だった。

地獄のような場所に勇者が助けに来てくれたのだ。

 

 

 

宇佐美は魔王が指定した場所にたどり着いた。

魔王 「素晴らしい場所だと思わないか」

魔王の声がこだまする。

この場所は、宇佐美義則が作った地下空洞だった。

魔王のこちらを翻弄するかのような動きに、ハルは焦りを覚えていた。

命を懸けたやり取りなど、経験がないからだ。ヴァイオリンをやめてから空手に時間を費やしたが、それが魔王に通用するとは思えない。

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魔王は宇佐美が倒れたそのすきを逃さなかった。

首を絞め、まさに宇佐美を殺そうとしたその時、隠していたスタンガンを魔王の胸に当てた。

魔王 「宇佐美ぃいいい!」

宇佐美 「地獄で母さんに詫びろ!」

だが、固いものにさえぎられてスタンガンは発動しなかった。

 

 

 

葬儀に乱入した翌日、京介が屋上に現れた。

宇佐美 「ごめんね、勝手に妹さんのふりして」

京介 「いいだんよ。すごいかっこよかったよ!ボク、キミのこと大好きだ!」

屈託のない一言が胸を突いた。言えなかった。宇佐美の父親こそ原因だと。

宇佐美 「好き・・?わたしが、好きって・・京介くんは、ほらお友達多そうじゃない?恋人とかいるの?」

京介 「勇者はおませさんなんだね。女の子のほうがそういうの興味あるって父さんがいってた。」

宇佐美 「いいから、いるの、いないの?」

京介 「いないよ。そういうのは考えたこともなかったな」

宇佐美 「しょうがないわね、だったら私が結婚してあげるわよ。また逢えたらね。覚えていたらでいいから。わたし、これから引っ越すの。運命の再会っていうのかな。ロマンチックじゃない?」

京介 「寂しいよ・・」

宇佐美 「だから、ほら、また会えたら結婚してあげるって。こういう約束って、大人に言わせれば恥ずかしんだろうね。でもいいじゃない。勇者からのお願い。」

京介 「わかった。約束するよ」

宇佐美 「覚えていなさいよ。わたしのお母さん、すごい美人なんだからね。この意味わかるかな。つまり、わたしもこれからすごい美人になるってこと」

 

 

 

宇佐美は目に涙を止めて、叫ぶ

宇佐美 「京介くん!」

まるで、内なるおれの両親をくすぐるように。

俺は魔王、復讐に救いを求め、復讐にすべてを投げ出した男だ。

魔王 「泣いてもわめいても、京介は現れんぞ!」

浅井京介と名乗った半端ものとは違う!

今度こそ殺す。

魔王 「死ね、宇佐美っ!」

 

そのとき、闇をかき分ける足音があった。

荒い息遣いがその男の必死さを訴えていた。

俺の姿を探し当てたようだ。

そうか・・・尾行されていると思ったが・・・お前だったか。

家族を裏切り、浅井権三の養子となった男。

権三をつる餌として、今日の夜半に電話を入れてやった。

取り乱したことだろう。

おれは死んだはずだからな。

裏切者は殺してやる予定だった。

フロント企業フィクサーの真似事などをしていると知ったとき、おかしくて仕方がなかった。

弱虫のお調子者の分際で。

しかし、その男の足取りに迷いはないようだった。

 

京介 「やめろ・・!」

そいつが言った。

京介 「宇佐美に手を出すな・・・!」

声色からは、なんとしても少女を守るのだという気概が感じられた。

魔王 「誰に向かってものを言っているのか、わかっているんだろうな?」

京介 「ああ・・・」

よくも邪魔をしてくれるものだ。

京介ごときが・・・・。

ーーこのおれ、鮫島恭平に向かって。

 

ああ!なるほどこういうことだったんですね。兄がいるとはいつからかわかっていたけど、あまり気にしていなかったから盲点でしたね。なんというか、完全に人格が入れ替わっているものだと思っていたけれど、二人いたわけですね。これならいろいろと納得ができます。こういうトリックって、ever17に似ていてものすごく好きです。この媒体だからこそできるものだと思うので、やっていて興奮しますね。

 

旅立ちの日に、京介は聞いた。

京介 「ねえ、名前はなんていうの?」

宇佐美 「勇者は勇者よ」

京介 「おしえてよ」

宇佐美 「じゃあ、私がほんとの勇者になったら教えてあげる」

京介 「え? まだ勇者じゃないの?」

宇佐美 「うん・・・」

京介 「わかったよ。君は勇者になるんだね。」

宇佐美 「うん・・・」

京介 「だったら、ボクは・・・。」

 

ーーおれ、浅井京介は。

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第五章 G線上の魔王

 

 

恭平は、ロンドンで自分を死んだことにして、「アサイ」と名乗ることによって、罪をすべて京介に着せていた。

 

恭平 「なぜおまえは俺に力を貸さない?父はたったの四人、それも死んで当然の人間を殺して死刑になったのだぞ?」

京介 「お前の目的は、父さんの釈放か?」

恭平 「いかにも。この十年、そのために準備を重ねてきたのだ」

京介 「おれがなぜ、お前に協力しないのか・・・魔王は、俺の女をもてあそんだ」

遊びと称して、椿姫や時田との友情を引き裂いた。

あまつさえ、いままさに、手にかけようとしている。

京介 「もう一度言う、宇佐美を離せ。その少女がなにをした?」

恭平 「失望したぞ、京介」

 

恭平 「京介よ、この場は引いてやる。だが、次に会うときは死を覚悟しておけ。家族と人間の屑はいくらでも両立する。仇の娘に惚れた男など、もはや弟でもなんでもない。」

宇佐美 「きてくれたんだね・・・やっぱり京介くんは、わたしの、勇者・・・」

 

宇佐美だけは、京介が魔王じゃないってほんとに信じていたんですね。本人さえ、自分が魔王なのかもしれないと疑っていたのにも関わらず。魔王と相対すると京介が子供にしか見えなくなってしまった(笑)

 

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あれから、宇佐美を背負って地下トンネルを抜け、家まで連れ帰った。

京介 「よく俺の前に姿をあらわせたな?」

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宇佐美 「いまどれくらいのイロがいるんですかね?」

京介 「イロって・・・女はいねえよ。まさか嫉妬してたのか?」

宇佐美 「ええまあ。実はここぞってところで、家にお邪魔しておりました。」

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宇佐美といい感じですね。それでは今回はここまで、ばいばい!

 

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